2023年9月9日土曜日

夕刊に二つの記事

昨日の夕刊に日本の経営黒字とGDPの下方修正の記事があった。
我々がとても手が届かないところで、ジワジワトと沈ませられる気分。

2023年4月~6月のGDPは

1月~3月に比べ 1.2%増加、このペースが続くとGDPは年間で4.8% 増と見込める。 しかし、8月の見込み年間6%増に比べると、下方修正でした。
(GDP=国内総生産)

主な理由として
設備投資1%減
GDPの半分以上をしめる個人消費が0.6%ダウン。
公共投資が0.2%増えたが8月見込み1.2%増からは1%減った。
「企業の活動が消極的で、ほとんどの皆さんが将来に不安を感じ、少しでも貯金に回そうと努力している。」 記事から、そう感じました。

経常黒字2兆7717億円

もう一つの記事の見出し。
7月の経常収支の黒字額は昨年7月の3倍だった。7月単体としては1985年以降の最大値。 輸出入の収支でも682億円黒字で、石油、石炭の国際価格高が一服したのが大きい。
企業が海外子会社から受けとる配当金などからなる第一次所得収支は、15.7%増の3兆5781億円で、 債券、海外預金の利子収入増も貢献した。

日本国は

ウクライナ戦争の影響もあっての石油、ガス、石炭、穀物などのあらゆる資源が高騰しています。電気自動車の大敗北のように輸出企業に元気がありません。しかし、経常収支は過去最大級の黒字を上げました。

同じ日の夕刊のふたつのニュースを見ると、なんか落ち着きません。
国としては、お金がどんどん入り増えて豊かになっている。
しかし、家庭の消費額は少しずつ減っている。

国際収支の額を、日本内の工場で生み出した利益と仮定して、雇用を計算します。
利益率4%、原価率25%,変動費率40%うち人件費30%の大工場の経営成果とすると
売上は 2.7X100÷4=2.7X25=だいたい67兆円=670000億円
人件費は670000X 0.25X 0.4X 0.3=2000億円、単月ですから25万円の給料なら、80万人分です。
海外で収益を上げている企業は、海外に土地を借り、工場を建て、人を雇い生産活動しています。
もし、国内に土地を買って、工場を建て、設備を入れて80万人を雇ったら、景気はずっと良くなったと思います。

企業の考え

企業自身も大きな競争にさらされて、油断すれば直ぐに市場を失います。
一億二千万人の国内マーケットよりも、80億人相手の国際マーケットを狙うのが正道です。
どこの誰に製品を売るか?
どこで、安く、品質よく作れるか?
土地と電気と水が手に入る、消費地への輸送が便利、一定水準の教育を受けた労働者を安く雇える。
様々な条件を満たすのは、今は東南アジアです。
中国の企業でさえ、東南アジアに巨大な工場を建てて、様々な商品を生産しています。

お客さんに変化

長い間、何でも買ってくれるお客は豊かな国アメリカの中流家庭でした。
他の国の人々も、テレビや映画に映る「あの豊かな暮らし」に憧れたので、アメリカで売れれば次々と続く新興国の中流家庭からも注文が殺到しました。
アメリカ→中東→日本→台湾→韓国→香港→中国→東南アジア→南米・アフリカ?このビジネスモデルはまだまだ続きそうです。

豊かな国アメリカでは、多くの工場が閉鎖され、海外に移ったり、出来上がりを買って来て売る商売に代りました。
お客に良いものを作って売るのではなく、世界中から誰が作ったものでもいいから、安くて品質の良いものを選んで売る様に変わりました。

大きな工場の中間管理職や熟練技術者が誇り、見返りとして高い給料を得たスキルは、例え何十年もかけて獲得したものだとしても評価の対象項目からされ除外される。
アメリカでは日本よりも先に、スキル評価の激変と淘汰の時代に入っていましたが、このころ日本で警報を鳴らすも者はいませんでした。
組合は製造継続を訴えるだけで組合員に、アメリカで起きた激流の危険性を示す事は出来ませんでした。

組合幹部の一生懸命のシュピレヒコール「大企業は雇用を守れ」「中小企業から搾取するな」が労働者の何に役立ち、支援になったのか、反省すべきと思う。

中流家庭は没落し、食べるに精一杯の仕事にすがろうと必死です。もっと安い賃金でも働く移民を憎みます。
この収入では、子供に一流の教育を受けるのは難しく、子供は今の暮らしレベルさえ維持するのが難しい。
子供に一定水準の教育を受けさせるために、親はリスクを承知の上で軍隊入隊を進めます。
親は子供に自分達より、良い暮らしをして欲しいと切に望みます。

景気の循環で、やがて好景気が来て給料が改善することは無いと思います。
喰えるスキルは何か、打ち込める仕事は何か、考えて「良いと思う」事に手を付けましょう。
千ベロで酔っても、解決にはなりません。体と心を壊してはなりません。
「どうにかなる」ので、やってみよう。!

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