2023年9月17日日曜日

デパートのストライキ

独占!そごう・西武 ストの舞台裏  ~61年ぶりの決断に密着~
TV番組ガイアの夜明けを見た。
株主であるE&Iグループは守秘義務を盾に、噂されているヨドバシカメラとの交渉経緯を明らかにしなかった。

計画は、西武の売却計画は上層2階のレストランと催し物スペースを残し、全ての階を売却するものだった。
ヨドバシは事態の進展を見て、百貨店の顔とする一階と地下の購入を断念した。

スト前1カ月くらいに西武・そごう社長を解任し、新たに6人の取締役を送り込んだ。
スト当日E&Iは西武・そごう売却を決議した。

E&Iはアメリカの投資会社に売却し、その会社が600億円で改装したうえでヨドバシに売り渡す。
ヨドバシは西武・そごうの雇用等の問題をE&Iからは直接引き取らない作戦に見える。E&I E&Iは西武・そごうの負債2,900憶円のうち900億円を放棄し、ケジメをつけたとした。
しかし、言い換えれば900-600=300億円でアメリカの投資会社が間に入り、様々な残存問題を出来るだけ清算してヨドバシに渡す。E&Iは直接そごう・西武の団結を示す組合と対峙しないのではないかと思う。

番組スト前の活動から
組合員の、ある外商は「百貨店からビッグブランドが出て行ってしまうと外商は成り立たなくなる」「どの百貨店も外商は親子3代のお付き合いで繋がっている」と発言していた。

外商の存在が百貨店にとって重要な意味があると感じる。
*この人(外商)が進めるのは「値打ち通りの良い品物」目利きに対する信頼感、買い物に安心感。
*親子3代に渡り買える、金持ち
 フローによって昨日今日お金持ちになった人と異なり、そもそも引きついで来た家の資本が大きい「本物の金持ち」
大金持ちに、目利きが保証する値打ちの商品が提示される商売。ユーザーと高級商品のマッチングが長年なされていた。

何故、百貨店は成り立たなくなったのか、アメリカでも有名デパートがどんどん潰れた。
1.百貨店が団塊世代向けの大量販売で稼ぐことで、長年培ってマッチングビジネスを棄損させた。
  百貨店が外商の情報価値を生かしきれなかった。外商の秘密保護、特定報奨など雇用方法と情報収集を考えるべきであった。
大金持ちが、欲しがる商品を届けることが出来なかった。
2.量が売れればと2流ブランドや自社ブランドを団塊世代向けにプッシュした。
  つまらない品揃え、郊外大型スーパーのモノと大きく違わない。しかも、値段は高い。
3.持ち込み企画、在庫返品などで、商品選択能力の不足をメーカーに負担を負わせ隠した。

団塊ジュニア世代が2040年には65歳を超える。
百貨店にとって、今最大のお客様群が消滅する。量で売る商売を仕掛けても、バイイングパワーに優れる量販店には及ばない。
アメリカでも同様にベビーブームによる人口構成の波がみられ、同時に産業構造が製造から適地(海外)生産の販売活動にシフトしたことで中流家庭の多くが没落し、街はスラム化した。

百貨店のターゲットユーザーは日本人1億2500万人の上位10%の1200万人ではなく、世界人口の0.5%、4000万人の金持ちを狙うべきと思う。
日本人でも600万人、150万世帯くらいは見込める。
訪日客に的を絞る必要は無い、ネットがあるので狙いたい階層にだけ届けば良い。

本物のお金持ちが欲しいものを仕入れる。
もしくは販売支援することが生きる道ではないか。
1000万円の車を1億円で売れる、付加価値。 日本の工芸技術の粋を集め、海外の金持ちが、実用に堪える食器、家具、ポーチを作る。

売値は、10%、経費10%以内とする。
職人が得る技術対価を、技術のレベル、芸術性、アイデアから年間、2000万円j、3000万円、4000万円、5000万円として、1年間に作成出来る数で割って製品ごと対価とする。
年収2000万円の職人が年間10個つくれる製品は、売値240万円とする。
計算式をオープンにして、職人の年間収入を明らかにしても良いだろう。
腕の立つ5000万円の職人が一年間で一個しか作れないなら、6000万円の値を付ける。
その商品は、生涯で30個くらいしか作れないから、お客も損することは無い。

高級ブランド
イタリア、フランスの手工芸製品。
デザインと素材を生かした丁寧なモノづくり。
スイス、ドイツの機械製品。
手作業の極致と高速走行で鍛えぬかれた動力・操舵・制御機構、堅牢さ。
何故、この名声が維持されるのだろう。

日本の高級ブランドは
神戸牛、イチゴ、桃、本マグロ、伊勢海老、ナマコ、フカヒレ
食べ物ではトップブランドが多い。

多くの手工芸、手工業が生活のため、小さな欲のため、大手企業の購買係長頼みの賃商売に手を染め、時間当たりの量の生産に明け暮れた。
そうなった責任は百貨店にこそあると思う。
本物の商品が屑に代わっていくのを傍観してきたのだから

2023年9月9日土曜日

夕刊に二つの記事

昨日の夕刊に日本の経営黒字とGDPの下方修正の記事があった。
我々がとても手が届かないところで、ジワジワトと沈ませられる気分。

2023年4月~6月のGDPは

1月~3月に比べ 1.2%増加、このペースが続くとGDPは年間で4.8% 増と見込める。 しかし、8月の見込み年間6%増に比べると、下方修正でした。
(GDP=国内総生産)

主な理由として
設備投資1%減
GDPの半分以上をしめる個人消費が0.6%ダウン。
公共投資が0.2%増えたが8月見込み1.2%増からは1%減った。
「企業の活動が消極的で、ほとんどの皆さんが将来に不安を感じ、少しでも貯金に回そうと努力している。」 記事から、そう感じました。

経常黒字2兆7717億円

もう一つの記事の見出し。
7月の経常収支の黒字額は昨年7月の3倍だった。7月単体としては1985年以降の最大値。 輸出入の収支でも682億円黒字で、石油、石炭の国際価格高が一服したのが大きい。
企業が海外子会社から受けとる配当金などからなる第一次所得収支は、15.7%増の3兆5781億円で、 債券、海外預金の利子収入増も貢献した。

日本国は

ウクライナ戦争の影響もあっての石油、ガス、石炭、穀物などのあらゆる資源が高騰しています。電気自動車の大敗北のように輸出企業に元気がありません。しかし、経常収支は過去最大級の黒字を上げました。

同じ日の夕刊のふたつのニュースを見ると、なんか落ち着きません。
国としては、お金がどんどん入り増えて豊かになっている。
しかし、家庭の消費額は少しずつ減っている。

国際収支の額を、日本内の工場で生み出した利益と仮定して、雇用を計算します。
利益率4%、原価率25%,変動費率40%うち人件費30%の大工場の経営成果とすると
売上は 2.7X100÷4=2.7X25=だいたい67兆円=670000億円
人件費は670000X 0.25X 0.4X 0.3=2000億円、単月ですから25万円の給料なら、80万人分です。
海外で収益を上げている企業は、海外に土地を借り、工場を建て、人を雇い生産活動しています。
もし、国内に土地を買って、工場を建て、設備を入れて80万人を雇ったら、景気はずっと良くなったと思います。

企業の考え

企業自身も大きな競争にさらされて、油断すれば直ぐに市場を失います。
一億二千万人の国内マーケットよりも、80億人相手の国際マーケットを狙うのが正道です。
どこの誰に製品を売るか?
どこで、安く、品質よく作れるか?
土地と電気と水が手に入る、消費地への輸送が便利、一定水準の教育を受けた労働者を安く雇える。
様々な条件を満たすのは、今は東南アジアです。
中国の企業でさえ、東南アジアに巨大な工場を建てて、様々な商品を生産しています。

お客さんに変化

長い間、何でも買ってくれるお客は豊かな国アメリカの中流家庭でした。
他の国の人々も、テレビや映画に映る「あの豊かな暮らし」に憧れたので、アメリカで売れれば次々と続く新興国の中流家庭からも注文が殺到しました。
アメリカ→中東→日本→台湾→韓国→香港→中国→東南アジア→南米・アフリカ?このビジネスモデルはまだまだ続きそうです。

豊かな国アメリカでは、多くの工場が閉鎖され、海外に移ったり、出来上がりを買って来て売る商売に代りました。
お客に良いものを作って売るのではなく、世界中から誰が作ったものでもいいから、安くて品質の良いものを選んで売る様に変わりました。

大きな工場の中間管理職や熟練技術者が誇り、見返りとして高い給料を得たスキルは、例え何十年もかけて獲得したものだとしても評価の対象項目からされ除外される。
アメリカでは日本よりも先に、スキル評価の激変と淘汰の時代に入っていましたが、このころ日本で警報を鳴らすも者はいませんでした。
組合は製造継続を訴えるだけで組合員に、アメリカで起きた激流の危険性を示す事は出来ませんでした。

組合幹部の一生懸命のシュピレヒコール「大企業は雇用を守れ」「中小企業から搾取するな」が労働者の何に役立ち、支援になったのか、反省すべきと思う。

中流家庭は没落し、食べるに精一杯の仕事にすがろうと必死です。もっと安い賃金でも働く移民を憎みます。
この収入では、子供に一流の教育を受けるのは難しく、子供は今の暮らしレベルさえ維持するのが難しい。
子供に一定水準の教育を受けさせるために、親はリスクを承知の上で軍隊入隊を進めます。
親は子供に自分達より、良い暮らしをして欲しいと切に望みます。

景気の循環で、やがて好景気が来て給料が改善することは無いと思います。
喰えるスキルは何か、打ち込める仕事は何か、考えて「良いと思う」事に手を付けましょう。
千ベロで酔っても、解決にはなりません。体と心を壊してはなりません。
「どうにかなる」ので、やってみよう。!

70代の貯金

最近の平均年齢は 男性   81.1歳 女性   87.1歳だそうです。 さて、70代の方々はこの寿命にどう備えたのでしょう? 70代の貯金、平均値は2,411万円です。 他にも、株式やアパートなどの不動産も、お持ちでしょうから資産総額はもっと多くなります。 平...